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1.武装神姫、里親募集中 珍しいこともあるものだ、と思う。 その晩僕は、会社の友人と共に行きつけのバーへとやって来ていた。 それ自体は別に珍しいことではない。 人数の関係で普段のカウンターではなくテーブル席にいることは、まあ珍しいことではあるが、ここではさほど重要なことではないので置いておく。 僕が珍しいと言ったのは、その友人の隣に座っている女性の存在だ。 グラスの中身を一口飲み、ちらり、と斜め前に座る彼女を見やる。 「んー? どうしたの、狩野クン~」 僕――狩野暁人というのが僕の名前だ――の視線に気付いたか、彼女が間延びした声で問い掛ける。 酔っているように感じられなくもないが、彼女の場合普段からこんな口調なので、それだけでは判別がつかない。 「いや……若山さんがここにいるなんて珍しいな、と思ってね」 彼女は若山成海といって、僕の同期の一人である。 僕との関係は、顔見知り以上友人未満といったところだ。 まあ、社交性が決して高いとは言えない僕にとって、会社の同期は皆同じような関係ではあるのだけれど……一人の例外を除いて。 「今日は特別に呼んだんだよ、成海がいた方が話も進みやすいだろうからな」 僕の正面に座ったその例外……失礼、山城大地が言う。 同期の中では、唯一かなり仲の良い友人と言える存在だ。 とはいっても、僕と彼の相性が特別良かったわけではない。 それは単に「とりあえず全員と仲良くなっておく」という彼の信条に基づくものであり、彼にとっては僕も含めた同期全員が友人である、というわけである……まあ、ここにも例外があったりするわけで。 大地の言葉に、隣の例外……つまり若山さんが頷く。 要するに彼らは男女の関係なわけで、友人ではない、ということなのだけど。 「話……ねえ。僕と大地だけじゃないって時点で、何かあるんじゃないかとは気付いてたけど」 言いながらまたグラスに口をつける。 カクテルグラスの中でゆらゆらと揺れる透明な液体……ギムレットという名のカクテルだ。 僕のお気に入りのカクテルの一つである。 今から五百年もの昔、西洋の男たちが新たな大陸を夢見て、こぞって帆船を航走(はし)らせた時代があった。 そんな中で生まれた、海の男達の酒……それがギムレットだ。 一人で飲みに来る時なら、この酒を傾けながら、延々とその時代に想いを馳せることもする……無論、今日はそんなことはしないけど。 「一体何の話だい?」 「まあ、そんなに焦るなって」 そう言いながら、大地が鞄の中をごそごそと漁る。 散々ちらつかせておきながら、何を言っているんだか……。 「狩野クンなら、きっと興味ある話だと思うな~」 ニコニコしながら若山さんがそんなことを言う。 それはまるで彼女自身にとって嬉しいことのような笑い方で、僕は余計に訳がわからなくなっていた。 「ほら……よっと」 大地が鞄から取り出したのは、縦三十センチ横二十センチほどの白いボール紙の箱だった。 何も書かれていない真っ白な箱……いや、右上にマジックらしきもので何か書いてある。 「ん……『MMS-ANG』? 何これ?」 「武装神姫だよ」 僕の疑問に即答したのは若山さんだった。 その顔は、やっぱりとても嬉しそうで。 「武装神姫……って、あの武装神姫?」 「他に武装神姫ってのがあるとは知らないが、その武装神姫だよ」 今度は大地に返された……そりゃ、そのくらいわかってるけどさ。 武装神姫の名ならよく知っている。 僕はシステムエンジニアの仕事をしているが、その関係で新しいテクノロジー絡みのニュースなんかは逐一チェックするようにしている。 四年前くらいだったか、その武装神姫が発表されたニュースも、記憶にはあった。 もっともその時僕が興味を持ったのは、前面に押し出されていた感情プログラムの方ではなく――その手のプログラムは僕の専門外であり、よくわからなかったというのも理由だ――駆動系、つまりハードウェアの方だったんだけど。 「まあいいじゃない……で、どうしたのこれ? 大地が買ったとか?」 それにしては梱包がちゃんとしてないけど、なんて続けた僕を、大地はからからと笑い飛ばした。 「違うって。まあ俺も興味がないわけじゃないけど……世話とか大変そうだし、何より成海がうるさいからな」 大地の言葉に、若山さんが何故か胸を張る。 「当然でしょ~。私というものがありながら、神姫の女の子にうつつを抜かすなんて、お天道様が許してもこの私が許さないんだから~」 中身だけとれば強気な発言なんだろうけど、間延びした声のせいで全然そうは聞こえない。 そんな若山さんの言葉に、大地は肩をすくめた。 「だってさ。自分は神姫持ってるくせに、理不尽だと思わねえ?」 「私はいいのよ~、女の子同士だし? それとも何、大地ってば神姫にヤキモチやくのかしら~?」 うりうりと大地の頬を突っつく若山さん。これはこれで、きっと仲がいい証拠なんだろう……僕にはよくわからないけど。 「へえ、若山さんは神姫を持ってるんだ。じゃあ、この神姫は若山さんの二個目ってこと?」 何気なくそう言った僕に、若山さんは真剣な顔で身を乗り出してきた。 普段のほわっとした彼女からは想像もつかない様子に、僕は思わずたじろいでしまった。 「狩野クン……悪気がないのはわかってるけど、その『個』って言い方は取り消してくれるかな? 武装神姫はただのロボットじゃない、それぞれが人格を持って『生きて』いるんだから」 どうやら彼女にとって、武装神姫という存在はとても大切なものらしい。 確かに、武装神姫が心を持っているというのは僕も聞いたことがあるし、ましてや彼女はその武装神姫と共に過ごしているのだ。 それを物呼ばわりされたら怒るのは当然だと気付く。 「ごめん、不用意な発言だったね。さっきの言葉は取り消すし、若山さんに……それから、若山さんの神姫にも謝る。本当にごめん」 そう言って僕が素直に頭を下げると、若山さんは一転してほわっとした表情になった。 よかった、許してくれるみたいだ。 「うん、ありがと~。狩野クンならわかってくれるって思ってたよ。それにうちのコにまで謝ってもらえるなんて、私感激だわ~」 すっかりいつもの調子に戻った若山さん、さっきの面影は微塵もない。 そんな彼女の様子に大地は苦笑いだ。 「それでね、このコのことなんだけど……残念ながらうちにはお迎え出来ないのよ~。神姫って世話するのに結構お金が必要でね。さすがに二人目は……」 若山さんがとっても悲しそうな顔でうなだれる。 どよーんという効果音が聞こえてきそうだ。 そっか、若山さんが買ってきたわけでもないのか……あれ、待てよ? 「……あれ、じゃあこのコは誰が買ってきたの?」 「買ってきたんじゃなくて、うちの会社のものだったんだよ」 大地が僕に言う。うちの会社……って、え、うち? 「うちの会社、そんなこともやってるんだ?」 「まあな。ほら、うちの会社って『何でもお任せください』がウリだろ? ま、武装神姫に関して言えば、やってたってのが正解なんだけどな」 僕達が勤めている会社『PPFコーポレーション』は、今大地が言った通り何でもやってるっていうのがセールスポイントの一つにある。 ゆりかごから墓場まで、って言えばわかりやすいかな。 大地曰く、その一環で武装神姫の流通ルートにも介入しようとしたらしいけど、さすがにその手の専門企業には敵わなかったらしい。 そして現在では事業から撤退、結構な数の武装神姫が在庫として残ってしまったとか。 大多数は関係社員が引き取っていったらしいけど、この神姫だけ最後まで残ってしまい、いよいよ廃棄処分かというところを、若山さんが見かねて引き取ってきたそうだ。 「そんなことがあったんだ、全然知らなかったよ」 「お前なあ、少しは社内の他のことも気にかけろよ? まあ、お前んとこは突出した専門分野だからしょうがねえのかもしれないけどさ」 僕の言葉に大地が苦笑する。 そう言われても、自分に興味のないことには全く関心がいかないのが僕なんだから仕方ない。 「そっか、このコこのままじゃ行く場所がないんだ」 言いながら、白い箱をそっと撫でる。 この中にどんな神姫がいるのか知らないけれど、心を持てる可能性のある者が、その機会すら与えられないままに消えていくしかないのは理不尽だと思う。 それは殺人と同じなんじゃないか……そんな考えが頭をよぎった。 唐突に、がばっと手を握り締められる。 何事かと顔を上げると、目をうるうるさせた若山さんが両手でがっちりと僕の手を掴んでいた。 ちょっとだけ、痛い。 「そうなの~! 可哀想なのよ~! こんなのってないわよね~、理不尽だと思わない~?」 今にも泣きそうな顔で、僕が考えていたことと似たようなことを言う。 もしかして僕の心を読んでたんじゃ……なんて、そんなわけないか。 それはさておき、確かに可哀想だとは思うし、何とかしてあげたいとも思う。でも、僕に出来ることなんて一体何が……あ。 「もしかして……僕にこのコを引き取ってほしいってこと?」 鈍い鈍いと言われる僕だけど、さすがにここまで条件が揃っていれば気付く。 僕の言葉に、大地は大きく一回、若山さんはぶんぶんぶんと三回、それぞれ首を縦に振った。 「そういうこと。いきなりの頼みで悪いとは思っちゃいるが……引き受けてもらえないか? これは成海だけじゃなく、俺からの願いでもあるんだ」 大地の目は真剣だった。 大地が神姫に対してどんな想いを抱いているかはわからないけど、少なくともこの言葉が本気であることは間違いなかった。 「お願いっ! お願いします~っ!」 若山さんが両手で俺を拝んでくる。 何もそこまでしなくても……と思ったけど、彼女もそれだけ本気だってことだろう。 気付けば大地も僕に頭を下げている。 正直言って、僕は武装神姫にさほど興味はない。 そして、興味のないことは、いかに周りがもてはやしてても手を出さないのが僕の信条でもある。 とはいえ、こんな事情を前にして、しかも二人からこんなに必死にお願いされた上で、それを無下に出来るほど、人として腐ってはいないつもりだった。 「二人とも、顔上げてよ。大丈夫、このコは僕が引き取るよ」 僕がそう言った途端、再び若山さんががばーっと僕の手をとり、ぶんぶんと振り回す。 いや、だからちょっと痛いってば。 「ホント!? よかったあ~、このままじゃ私心配で夜も眠れないところだったよ。ありがとう~!」 そこまで感謝されるとは思ってなかったので、僕は少々戸惑ってしまう。 その一方で、彼女がどれだけ神姫のことを大事に想っているかが、僕にも伝わってくるのを感じた。 大地はやれやれといった感じでソファに深く腰掛けているが、その表情には間違いなく安堵の色が見えた。 彼女のこともあるし、やはり大地も心配していたんだろう。 それから僕は、二人――主に喋っていたのは若山さんだけども――に神姫のことについて色々と教えてもらった。 仕事柄、メンテナンスとかそういった類の話は問題なく理解できたけど、やはりそれだけで万事オーケーというわけでもないらしい。 特に神姫とのコミュニケーションは僕にとって大問題だった。 「神姫も心を持っているんだから、細かいこと考えずに、普通に人と接するのと同じように接してあげればいいんだよ~」 なんて、若山さんは言っていたけれど、人付き合いが得意とは言えない僕にとってそれが一番の気がかりであるということに、彼女は気付いてないようだった。 やれやれ、これからどうなることやら……。 こうして僕と神姫との共同生活が始まることになった。 家までの道を歩きながら、僕は漠然とした不安とちょっとした期待を、同時に感じていた。 TOP 2.目覚めは猫の鳴き声で
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鋼の心 ~Eisen Herz~ インターミッション06:武装神姫 閃光が奔り、ターゲットは蒸散して果てる。 焦げたようなイオン臭が去ると共に、周囲に光が戻って来た。 否。 暗がりが戻って来た、と言うべきか。 白い闇。閃光が消え失せたのを確認し、京子はゴーグルを外した。 「流石です、京子さま。素晴らしい威力だと思います」 世界初のMMSである“彼女”はそう言って微笑む。 「……後はコストパフォーマンスかな? 出来れば、一射当たり10円位で納めたいわね……」 MMSが神姫としてホビーバトルをする事になれば、当然それはユーザーに浸透させなくては話にならない。 KemotechもFrontLineも、遊びや慈善事業でこの企画を立ち上げた訳ではないのだ。 商業である以上、その座は万人に解放されなくてはならなかった。 「……問題は放電管のチャージロスね、コレを押さえられれば実費で7円切ると思うのよ……」 「収束効率を落として、蓄電量を下げるのは如何でしょうか? ……私のように汎用動作で射撃するのではなく、専用のプログラムを用いれば命中精度はもう少し落としても通用する筈です」 「やっぱそれっきゃ無いか……」 本来“彼女”は射撃を考慮したプログラムを有しては居ない。 目視での測量と、計算による非効率な射撃方法では、そろそろテストの方も限界だった。 「……お~う、やっとるね。京子ちゃん」 「……芹沢さん」 「おはよう御座います、芹沢教授」 芹沢に頭を下げる“彼女”の言葉に時計を見れば、時刻は既に朝の10時。 寝る前にちょっと、のつもりで運用試験を始めたのは既に半日前の事だった。 「……眠いわけだ……」 京子は欠伸を噛み殺して伸びをする。 「んで、どうよ? LC1の調子は?」 芹沢の視線の先には試射の的となり、半ば消失しているターゲットボードの群れ。 「……どうやら、実用まで漕ぎ着けられそうじゃねぇ?」 「はい。私もネットで調べてみましたが、最先端の軍用レーザーにも無い画期的な機構が、いくつも盛り込まれているようです」 「……まあ、出力が低いから出来ることも多いんだけどね……」 軍事転用されそうな技術は思いついても使わないようにしていた。 真紀は、きっとそれを望まないから……。 「……所で芹沢さん。FL12の試作品って、もうロールアウトしたんですか?」 「ん? 確か先週試作品が出来て、起動実験をしてた筈だけど? ……まだCSCは載せずに従来型AIの有線接続だけどね」 ふむ、と京子は考え込んで。 「……芹沢さん。FL12の試作機、2,3機貰えませんか?」 「おチビちゃんでは不満かね?」 「……レーザー砲の他にも、幾つか装備のテストをしたいんです。ブースターのテストもしたいから、出来れば4機あるとベストですね……」 「ブースター?」 首を傾げる芹沢。 「……教授。京子さまの力作を目にしたら、きっと驚きますよ」 くすくすと、顔を綻ばせ“彼女”が微笑む。 「…………」 京子がパソコンから図面を呼び出すのを見ながら、芹沢の心境は複雑だった。 (……やれやれ、ワシ形無しじゃね。……つーかもう用済みっぽい?) 自分達が年単位で築きあげて来たものを、この姉妹はいともあっさり超えてゆく。 それは、嬉しくもあり、悔しくもある不思議な心境だった。 「で、京子ちゃんは何を造ったんじゃね?」 「……羽根です」 その二日後。試作型神姫FL12は飛行型MMSとして再調整を受ける事となる。 そして程なく。 MMSの営業方針は、武装神姫としてのホビーバトルに重点が置かれることとなった。 ◆ CSCに伴う記憶障害には大きな特徴があった。 それは、記憶領域の拡大と、思考の加速、並列化。 言うなれば、愛用のパソコンからごっそりとデータが消失したようなもので、CSC患者の脳には使用可能な空白が大量に出来るのだ。 脳の処理能力は、当然のように常人を凌ぐようになる。 それは、先天性であれば『天才』と称される現象であった。 そして、その天才性はCSCの深度と比例する。 例えば。 軽度で回復してしまった少年は、常人でも珍しくない程度の天才性を持ち。 重度で固着してしまった少女は、もはや神託とでも称する他無い天才性を発揮した。 そして、自らも気付かぬ内にCSCに罹患し、一月かけて独力で回復したその少女は、世界最先端の技術を扱えるようになっていたのだった。 ◆ 「……武装神姫」 「はい、真紀さま。今後MMSは武装神姫としてバトルを中心とした展開を行っていくそうです」 真紀は、“彼女”の報告に少しだけ表情を歪めた。 「……」 「? 主よ、如何なさいましたか?」 真紀を主と仰ぐ“彼女”が、首を傾げて真紀の顔を覗き込む。 その時、病室の扉が慌しく開けられた。 「あ、真紀。私、これからちょっと研究室に行って来るね。……試作品のレーザーソードが出来たんで、カトレアに届けてくるわ」 「カトレア様ですか」 フロントラインとケモテックの、共同研究室に配置された4“人”の神姫。 その長女が、ラン科植物の名を冠する、格闘武器試験用の神姫だった。 「……あの、姉さん……」 「ん? 何、真紀? バスの時間あるから手短にね」 「…………あ、…………ん、……な、なんでも、無い……」 「……? それじゃあ行って来るけど食事、ちゃんとするのよ? 食事残すと香苗さん(看護婦さん)が心配するわよ?」 「……ん」 真紀が頷いたのを見て、京子は走り去った。 ◆ (私にも、真紀の為に出来る事がある) 京子は走る。 (私も、真紀を喜ばせる事が出来る) 脇目も振らずに走る。 (武装神姫が世界に広まれば、それは真紀の想いが世界に広がることになる) 振り返る事も無く。 (私が強い装備を作る事で、それを手伝える!!) 残されたものに気付く事も無く…。 ◆ 「主よ、宜しいのですか? この計画は、京子さまの協力が不可欠と存じますが……」 「……いいわ。姉さんは……、そうね……」 真紀は、病室の窓から病院前のバス停を見る。 「……姉さんは」 そこでバスに駆け込む京子の姿を瞳に映したまま。 「……姉さんには、敵になってもらうわ」 そう、呟いた。 インターミッション07:おしまいの日につづく 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る 最近のプラモは凄いですね。 思わずガンダムスローネ3種買って、誰もが思いつくコンパチスローネ作ったさ。 色も青で塗り直して、ご満悦。 ……ま、ALLガンダムマーカー仕上げですが何か? AC4に嵌まっている身としてはアーリヤが欲しかったのだけど売り切れで入手できず。 明日当たり遠出してでも手に入れようかと考え中。 ALCでした。
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【なぜなに武装神姫、そのご】 「デンドロねここをちょっと作りたくなってしまって大変なみさにゃんです」 「1/144だけはやめてにゃ……高いの」 「(しれっと)さて今週はこちらです」 『武装神姫は食事をするの?』 「これも個々人の考えなのですが、ねここの場合はご飯を食べます。99,7%は完全に消化されて完全にエネルギーになっちゃいます。 と言ってもメイン動力は恐らく電池充電式だと思いますが」 「気にしてなかったとも言うの」 「言いにくいことをずばっと言うわね」 「にゅふふ~☆ ずばっと参上! ずばっと怪傑なのっ♪」 「しかしほぼ全部消化するなんて何処かの青い有名ロボットと一緒ね、猫だし」 「え゛ー」 続く 上へ戻る
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よみがな:ぶそうしんき 分類:玩具 説明文 KONAMIより2006年から発売されているメカ少女のアクションフィギュア。 ゼロスレシンクロニシティにより一部住人の間で人気。 高い組み換え拡張性を有しており、シリーズ内での組み換えや別商品の流用などに優れている。 また、現物のフィギュアだけでなくネットゲームにも対応しており、購入したフィギュアに付属している武装神姫アクセスコードにより、オンラインのジオラマスタジオとバトルロンドを無料で利用できる。 ジオラマスタジオとは、3D空間にポリゴンで描かれた神姫をカスタマイズし、好きなポーズでスクリーンショットを撮れる新時代のジオラマシステム。 バトルロンドは武装を設定し指示を出して相手神姫と戦わせる対戦ゲーム。 武装神姫は毎シリーズ(2キャラ)ごとにゲストデザイナーによりキャラクターがデザインされる。 そのゲストデザイナーとして我らが鉄乃巨刃氏を推す声も少なくない。 実際に鉄乃巨刃氏を望む声が玩具板「■コナミ_武装神姫_>>PART_29」の 1000を取ったこともある。 ちなみに神姫スレはそれなりに変態性が強い。 また、他スレでゼロスレネタを使う時は、そこの住人に迷惑をかけないよううまく溶け込むようにしよう。 要は、わりとお仲間。 公式サイト 武装神姫
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2036年 武装神姫の世界 (公式設定)について これは公式ページ内2036年 武装神姫の世界の情報をまとめたものである。 2036年 武装神姫の世界 2031年発売(神姫タイプ以外のMMSはこの限りではない) 主要ユーザー層は十代後半から四十代の男性 神姫の仕様(ハードウェア) 最小構成 神姫は基本的に以下のパーツで構成され、起動後のパーツの取り外しには神姫の停止を伴う。 最小構成CSC(胸部) Core Setup Chipの略。 多数存在するCSCのうち三つを選択しセットする。(同種のCSCの複数セットが可能かは不明) CSCの組み合わせによりコアユニット、素体の基本の性格、能力に対し固体ごとの個性、差異が生じる。 コアユニット(頭部) 頭部に内蔵されるパーツ。 コアユニットの種類により基本的な性格が決まっている。 これとCSCの組み合わせにより性格が決まる。 素体(胴体部) 頭部以下、四肢も含めた胴体部 これとのCSCの組み合わせにより能力が決まる。 このパーツ(胴体部)にバッテリーが内蔵されている。 オプション クレイドル 内蔵バッテリーの充電、データ整理、PCとの通信に用いられる非接触式充電通信装置。 神姫は一日一度このクレイドル上で充電、データ整理のために"眠る"。 武装パーツ 詳細不明 価格 高性能PC程度。(最小構成、武装パーツの有無、クレードルの有無、パーツの性能、流通経路により上下すると思われる) 神姫の仕様(ソフトウェア) 神姫は起動時にオーナー登録をする。 これはMMS国際法により定められている。 オーナーは必ず個人である。 神姫一人に対するオーナーは一人である 逆に一人のオーナーに対して神姫は複数登録できる。 この結びつきは絶対的なものであり、神姫はオーナーを変えることが出来ない。 流通 神姫センター 全国主要都市に点在する「MMS-Automation 神姫」を扱う専門店。 神姫、武装パーツの購入、修理を行うことが出来る。 武装神姫バトルを中心としたアミューズメント筐体も設置されている。 MMSショップ 神姫センターとの違いは不明。 おそらく神姫以外のMSSの取り扱いやアミューズメント筐体の有無だと思われる。 大型家電量販店 神姫、パーツの購入、修理が可能。 ただし上記の二つと違い専門に扱っていないのでサービス質は多少落ちると思われる。 アミューズメント 設置場所 神姫センター、アミューズメント施設等 コンテンツ 武装神姫バトルがメインコンテンツだと思われる。 ほかにも数種類存在するもよう。 武装神姫バトル 2032年から稼動、2036年現在バージョンアップを重ね人気アミューズメントとして定着。 筐体 テーブル状の台の上に透明の直方体のカバーが付いた筐体。 カバー側面に神姫出入り用の扉がある。 筐体上方の天井に吊り下げ式モニター有り(オプション?) オーナー用の椅子二台有り(オプション?) 仕様 バーチャルデータではなく実機を戦闘させる。 レギュレーション 以下の二種類が存在する オフィシャルバトル "武装神姫バトル管理協会(略称神姫BMA)"によって設定されたクラス分けとレギュレーションに則り行われる フリーバトル クラス分け、レギュレーションによらない自由に行われるバトル
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武装神姫のリン 鳳凰杯篇その4 俺は"いつか"の時と同じように、だがあくまで冷静に。 リンを胸のポケットに入れてオーナーブースの扉を開けると全力疾走。 瞬く間に鶴畑大紀のオーナーブースへ。 扉を開ければ今まさにミカエルのリセットを行おうとしている鶴畑大紀の姿。 「待て、話を聞け!」 「ふん、俺のやることに口出しするな!こいつは負けたんだよ。最後のチャンスだったにもかかわらずだ。だから今ここで終わりにする。」 「待ってください!!!」 俺より大きい、そして何かすごみを感じさせるリンの声に鶴畑大紀は思わずたじろいた。 「…ええぃ」 がすぐにミカエルにつないだ端末の操作に入ろうとする、間に合わないかと思ったが急に鶴畑大紀の動きが止まった その視線の先にあるのは…ミカエルの瞳に浮かぶ大粒の涙だった。 「マスター、ごめん。でも私は…死にたくない」 「何を言ってる!! バトルに負けた時点でおまえは用済みなんだよ!だから…そんな顔するな」 鶴畑大紀の始めて見せる表情に少し驚きつつも、俺はミカエルと端末の接続を解く。 「おい、鶴畑の次男」 「…なんだよ。ミカエルのことか? もう知ったことか! マスターの登録は外すから勝手にしろよ」 「マスター…」 「もう俺はおまえのマスターなんかじゃない、どっかいっちまえ!!」 分かっていたとしてもそれがショックだったのだろう。 ミカエルは脱兎のごとく駆けだして行ってしまった。 「マスター、私に任せてください」 「ああ、頼む」 あっちはリンに任せて俺は鶴畑大紀に話しかける。 「おまえ、たしか兄貴に近づきたくて神姫始めたんだよな?」 「それがどうした! 武装は同じようにハンドメイドだし、戦績とかのチェックもいつもやってるよ。あと同じようにバトルに負けた神姫は取り替えてきた。悪いか!!」 「別にそれ自体が悪いわけじゃないだろう。ただな"ものまね"じゃあ一生かかっても兄貴には追いつけないぞ」 「m、ものまねだと!!」 「そうだ、おまえが今までやってきたことは兄貴がやってることを見よう見まねしてるだけなんだよ。まねだから兄貴がまず"それ"をしないと自分はなにも出来ない。だから追いつけない」 「なっ…」 「とりあえず、神姫をとっかえひっかえするのを今すぐやめろとは言わない。ただ、一度考えてみたらどうだ?」 「ふん…」 「俺が言いたいのはこれだけだ。あ、あと八百長なんてするなよ」 「うるさい!」 話を終えて(とりあえず言っておきたいことだけは伝えたつもりだ…なんで俺はこうもお節介かねぇ)オーナーブースを出ようとすると。 「まてよ。」 「なんだ?」 「…あいつに伝えてくれ。おまえはがんばってたことだけは覚えとくって」 「ああ。」 その言葉を聞いたとき、いつか彼の中で良い変化が起こってこれから生まれる「ミカエル」と以前より良い関係を気付くことが出いるのではないか?というのは俺の願望だろうか? そんなことを思いつつ、俺はオーナーブースを後にした。 ==== 試合の相手だった神姫のマスター、藤堂亮輔がブースを出たことを確認し鶴畑大紀はすこしだけ昔のことを思い出す。 それは5年前、まだ武装神姫が発売されることもなく世間での神姫に対する評価も今とは違っていた頃。 そして自分たち鶴畑兄弟の関係も今ほど緊張感を持ったモノでは無かった頃のことだ。 兄は高校で成績優秀。日本で一番の大学にも易々と合格できるだろうと担任から太鼓判を押されていたがまだ自分の進むべき道が決まっていなかったがそのときの兄は今ほど冷たい態度を取ることもなく優しかったのだ。 今でも世間一般の人の兄に対するイメージはまさに好青年。しかしそれはメディア等に出るときの"仮面"だ。 自分でもいつ兄が今のようにいつもぴりぴりした雰囲気をまとうようになったのかは解らない。 でも武装神姫が開発されてからであるということだけは明らかであり、また兄にあこがれを抱いていたはずの自分が今は逆に兄に対する争闘心のような感情しか持ち合わせていないという事実に気がついた。 兄の態度が変わったことに気がつき、その原因が何かさっぱりわからなかったそのために兄に直接聞くことが一番だと思ったのが2年前だ。そして今の兄と対等に話をするために自分は兄に追いつかなくては行けなかった。 でも学問とかじゃあ到底敵わない。でも…神姫ならばと思って自分も一度仮名を使い神姫バトルに参加してみた。 しかしそこで待っていたのは連敗に次ぐ連敗。たった一度の勝利が遠かった。 そして最後の試合で己の初めての神姫であったアーンヴァルが爪で引き裂かれる、その光景を目の前で見てしまった。 当時のバトルはリアルリーグしかない。それ故にプログラムで補正を行っていてもまれに神姫が帰らぬ身となることはあったがそれは自分の心に深い傷を追わせた。 その挫折から半年の間家に引きこもりがちになり過食症に陥った。 そして復帰後は本名で神姫バトルに。あのときの絶望をもう二度とを味わいたくないと無意識に思ったのか…当初の目的を忘れて目の前の敵をいたぶる。また強すぎる相手に対しては金を積んでの八百長試合など…自分の欲求である「勝利」を満たすことしか考えていなかったことを痛感した。 そのために何度神姫のコアを代えただろうか?リセットされる、廃棄されるときの彼女たちの気持ちはどうだっただろうか? また心が痛んだ。 そんあ自分が、今からでも変われば兄弟関係も変わるだろうか? でもまた挫折すれば…そういった恐怖が頭の中を駆けめぐる。 それでも、自分が兄に追いつける可能性があるのはこの神姫バトルしかない。苦しいかもしれないが、やってみようと思う。 それが鶴畑大紀のたどり着いた答えだった。 ミカエルはもう戻らない。自分がオーナー登録を解除してしまったのだ。 でも彼女が…いや今までの"ミカエル"が残したデータが生きている。 これほど心強いことは無かった。 鶴畑大紀は立ち上がる。上を目指すために。そして兄に追いつくために… ~鳳凰杯篇その5?~
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戦うことを忘れた武装神姫 その3 珍しく早く帰宅できたので、玄関先でバイクの点検整備。 ワイヤ、オイル類のチェック、グリス塗り込み等々・・・うむうむ、良い良い。 「・・・何をされているんですか?」 工具箱の上に、アーンヴァル型のイオがいつの間にか腰掛けていた。 「見ての通りだよ。俺の愛車の整備。」 「マスターはマメですね。」 「マメっつーか・・・しばらくほっらたかしだったからね。いい加減可哀想で。」 「この子も、マスターに愛情を存分に注がれているんですね・・・。」 「愛情・・・でいいのかなぁ、この場合も。」 「いいんです、きっと。」 そう言いながら、そっと月明かりにイオの笑顔が浮かぶ。 柔らかな笑顔に、俺もほっと一息。 「うーん、イオもずいぶんと成長したねぇ・・・。来た頃なんて、まずひとりで 外に出て来ることなんか無かったのに。」 整備の仕上げとして、余分なチェーンオイルを拭き取りしながら声をかけた。 「だってマスターが・・・ 外の世界の広さを教えてくれたから・・・」 と、ひょいと飛び上がり、イオはバイクの上に移動するハズだったのだが。 「え・・・きゃっ!!」 バイクのブレーキホースに足が引っかかって勢い良く進むベクトルが変わる。 ぐりん。 ごいん。 よりによってタンクの金属部にバーニア噴射状態で突撃、頭強打。 もんどり打つように落下した先には・・・ 真っ黒のウエス。 も゛ふ。 廃棄直前で、べっとべとのウエスの上に、狙いすましたかのように落下したイオ。 「う、うえぇ・・・またやってしまいましたぁ・・・。」 真っ白なボディが、繊細な顔が、油ででろんでろんになってしまった。 ヘッドユニットも斜めにずれて、今にも泣き出しそうなイオの顔に・・・思わず ドキッとしてしまった。 いかに学習が進んでも抜けないから天然、か・・・。 まぁ、そこがこいつのチャームポイントなんだよね。 戦場には赴かず、洗浄される神姫がいる。 そう、ここに居るのは戦うことを忘れた武装神姫。。。 <その2 へ戻る< >その4 へ進む> <<トップ へ戻る<<
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戦うことを忘れた武装神姫 その25 H市の中心駅から程近い路地裏のとあるショットバー。 久遠は猫子のエルガを傍らに座らせ、ちびちびと酒を呑んでいた。 カウンターと2組のテーブル席しかないこの店の今宵の客は・・・久遠たちだけ。マスターのCDコレクションのジャズが静かな店内を支配する。 エルガはこの店自慢の鳥のから揚げをおいしそうに食している。 「・・・今宵はエルガさんと二人きりですか。」 顔なじみとなっているマスターが聞いてきた。 今日はたまたま、3人ともそれぞれにメンテナンスや泊りの予定が入り、久遠のところにはエルガしかいなかった。 「そうなの! 今夜はにゃーさんと二人っきりなの!」 「おやおや、ずいぶんとうれしそうですね。」 「だってだって、にゃーさんの愛情を独り占めできるんだよ?!」 「やめれって、こっ恥ずかしい。」 「ははは、久遠さんも大変ですね、こんなにもかわいいお嬢さん方に囲まれては。」 グラスを磨きつつ、相変わらずのマスターの調子にうっかり流されてしまいそうになるも、久遠は本来の目的を済ませるべく、マスターに切り出した。 「ところでマスター。『ゼリス』という神姫の事件に関して教えてもらえませんか。」 「・・・。」 マスターのグラスを拭く手が止まった。 「どこでその話を知ったんだい?」 「・・・実はですね。ウチのリゼに、武装神姫用ではない声帯が搭載されていまして。」 先だっての一件の際に、通常の神姫では考えられないほどの声量を放った事、そして普段からのあまりに美しい歌声。気にしてはいたのだが、今回のCTaの全般メンテナンス時に調査をしてもらい、その事実が発覚した。 「リゼはストラーフでも初期のロットですから、部品混入による偶然のものだとはおもうんですが・・・。それで、その声帯のことを調べているうちに、クラリネットタイプに行き着き、『ゼリス』という名も挙がってきたんです。」 「にゃにゃ?」 そういいながら、久遠はエルガの頭をそっとなでた。 「にゃーさん、ゼリスさんのこと?」 「そう。神姫の歴史に詳しいマスターなら何か知っているかと思ってね。」 「マスターさん、にゃーからもお願いするの。 にゃーたちの・・・えっと、にゃーたちの、ママのこと・・・。」 「・・・そうか。」 ため息混じりに呟くように言ったマスターはグラスを棚に収めると、 「君は、あの話をどう思うかな。」 と久遠にたずねた。 「どこもかしこも『悲哀のヒロイン』という扱いですが、自分にはそうは思えないんです。 こうしてエルガたちを連れた日常を過ごしていると、他人事とは思えない気がしてきまして。。。」 その先の言葉が出ない久遠。 するとマスターは外の看板のスイッチを落とし、ドアにClosedのプレートを下げて戻ってきた。 「話せば長くなるからな。」 そういうと、棚の奥からシンプルなラベルしかないバーボンを持ち出し、久遠とエルガの前にグラスを並べた。 「まずは・・・昔話から話そうか。」 ・ ・ ・ 当時、大学院を卒業したての若手技術者だった彼 -今のバーのマスター- は、高倍率を見事(運良く?)勝ち抜き、ある研究所へ配属となった。 彼の受け持った仕事、それは神姫のMMS本体と装備のリンクに関する技術研究、すなわち武装神姫の最初期の研究だった。 ・・・神姫の開発。 未知ともいえる分野の開拓。 充実した日々の中、彼は一人の女性と出会った。彼女は、神姫の持つ「心」について、いずれ科学的に解明してみたい・・・と熱く語った。 彼もまた自らの研究を通し神姫の「心」については少なからず関心を抱いていたこともあり、以来時折情報のやりとりを行っていた。 しかし。しばらくの後、ぱったりと連絡はなくなった。さらに数年が経ったころ、あの事件が大きく報じられることになった。 「それが、君たちも知っている『ゼリス』の事件だったんだ。」 久遠の前に置かれたグラスで、氷が小さくカランと鳴った。 「実を言うと、ゼリスの一件については僕も詳しくは知らないんだ。というより、知る必要がなくなったというべきかな。」 そういうと、マスターは手にしたグラスをあおり、話を続けた。 「『心を解明したい』と言っていた人物こそが、今の峡国神姫研究所所長、その人なんだ。 そう、ゼリスのマスターだった方だ。 あの事件には僕も相当ショックを受けてね。げっそり沈んでいたら、ふらっと手紙が舞い込んできたんだ。たった便箋一枚の手紙だったけれど僕には大きな意味をもった手紙だったよ。」 - 神姫には、神姫としての、 ツクリモノではない、確かな「心」がある - そんな「彼女」たちに対して自らが行っている研究は、果たして意味を持つものなのであろうか・・・。 心がある以上、神姫と装備を100%リンクさせることは不可能・・・ いや、それ以前に神姫の心を踏みにじるような研究をしてきたのではないか? 「・・・そんなわけでね。僕も武装神姫の計画が軌道に乗るころには、あの研究所を辞して、今の職に就く道へと進んだんだ。 ま、この後の話は本当の昔話に過ぎないから割愛するけどね。 みんなにいろいろ言われるけど、神姫をいまだに持たない理由もそこなんだよ。」 自らの手元のグラスにバーボンを注ぎ一口あおり、マスターは久遠とエルガを見つめた。 かかっていたCDが終わり、しばしの静寂- 。 ・・・>続く・・・>・・・ <その24 へ戻る< >その26 へ進む> <<トップ へ戻る<<
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武装神姫公式ページ 「武装神姫BATTLE RONDO」スレ まとめwiki 武装神姫オンライン サービス終了 2011年8月31日 13 00をもって 武装神姫バトルロンド・ジオラマスタジオが終了することが 公式に告知されました。終了までの日程は以下のとおり ・5月31日 13 00 プレミアム期間中のプレミアムチケット購入を停止 ・6月30日 13 00 神姫ポイント販売終了 ・7月31日 13 00 プレミアムチケットの販売終了 ・8月31日 13 00 サービス終了 http //www.shinki-net.konami.jp/if_completion.html
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ガングラー鋼月の『今時の武装神姫事情』Vol.1 『パソコンでググる武装神姫』 皆さんこんにちわ。自称おもちゃライターのガングラー鋼月と申します。神姫マガジンさんでも新製品レビューなんか時々書かせて戴いていたんですが、このたびスペースを戴いて、コラムを担当させてもらえることになりました。 大会での効果的な運用方法やちょっとした改造例、新製品レビューなんかは他の記事を見てもらうとして、ここではもっと基本よりの……皆さんが普段「?」と感じることを書いていこうと思います。 ○パソコンでググる武装神姫 家に帰ると、ウチの白子が俺のパソコンでネットを見ていた。 「どうしたの? 何か面白い記事でもあった?」 背広を脱ぎながらそう問い掛けると、白子はパソコンのディスプレイを眺めながら、うっとりした瞳でため息をついた。 「今度、新しい背部ユニットが出るんです。欲しいなぁ……」 神姫ユーザー諸氏なら珍しくもない光景だろう。神姫のおねだりに負けて、通販ボタンをポチっと押してしまったかたも多いのではないかと思う。 しかし、ここで疑問に思った方も多いのではないだろうか。 神姫が、なんでパソコンでネットを見るんだ? と。 ○神姫はロボットか? 神姫はロボットである。 アンドロイドとかガイノイドとかいう意見もあるだろうが、そこまでの細かい分類はここでは追求しない。私のホームグラウンドであるオモチャ業界的に言えば、SRWやGFFといった人工知能内蔵型ホビーロボットの延長上にある。 だが、SRWのスーパーロボットや、GFFのMSは自分からネットを見たり、ましてやビームライフルをねだったりしない。せいぜい定期バージョンアップのアナウンスをする程度で、それもメンテナンスソフトが定期的に取得した更新情報を参照しているに過ぎない。 この辺りの性格付けはコミュニケーションに重点を置く神姫シリーズの面目躍如といった所だが、やはりここでも同様の疑問にぶち当たる。 ネットが見たければ、わざわざ人間用のキーボードやマウスを使わなくても、GFFのようにメンテナンスソフト経由でネットに直結すればいいんじゃないか? と。 ○神姫の頭脳はパソコンじゃない まず、ここで神姫の構造をおさらいしてみよう。 神姫はおおまかに三つの部品で構成される。 電子頭脳と記憶中枢を搭載した頭部コアユニット。 思考パターンやデータベースを記録し、神姫のプリセット状態に影響するCSC。 そして、頭部とCSCをつなぐマザーボードを内蔵した素体。 素体のマザーボードに好みのCSCを三つセットして、頭部コアユニットを接続。そのあと起動信号を送ることで初めて神姫が起動するのは……神姫ユーザーなら誰も知っているはずだ。 さてここで注目して欲しいのは、頭部コアユニットである。 頭部コアユニットは電子頭脳と記憶ユニットを含む、文字通り神姫の頭脳部分だ。ここで神姫は物事を記憶し、経験を蓄積させ、CSCの思考パターンに従って思考・判断する。 コアユニットに実装された電子頭脳は、陽電子頭脳と呼ばれる(一般には超AIのほうが通りが良いが)バイオコンピュータの一種で、パソコンに使われている集積回路とは全くの別物だ。 詳しい構造の話は割愛するが、最大の特徴は『自分で考え、判断できる』コンピュータである事だろう。 ○勘違いするコンピュータ 陽電子頭脳は、正確・厳密な判断よりも、あいまいな思考。即ち、人間くさい思考を再現したコンピュータである。 神姫がマスターの話を勘違いした。 居眠りしていると、神姫が気を使って毛布を掛けてくれた。 怖いテレビを見たら、神姫が怖がって離れなくなった。 神姫がバトルスタイルについて悩み出した。 このどれか、もしくは全ての行動を経験した事のある神姫オーナーは多いだろう。これこそが陽電子頭脳の特徴であり、GFFやパソコンの集積回路には出来ない芸当だ。 陽電子頭脳とは、勘違いを含めて、推測や判断を自分で行えるコンピュータなのである。 ただ上記の通り、正確・厳密な判断には欠ける面も多く、製品には個体差(いわゆる性質のムラ)が出てしまう特性があるため、パソコン的な使い方には向いていない。現状の最新OSであるWindows2037も、陽電子頭脳をCPUに用いたパソコンのサポートは行っておらず、ロードマップにも対応の予定は明記されていない。 補足だが、CSCや陽電子頭脳の品質のムラを神姫では『ゆらぎ』という個性化するための特徴として位置付けており、この性質が問題になったことはない。 執筆者注 正確には神姫の陽電子頭脳は、人間と同じくメンタル部分と自律神経部分の二重構造になっており、自律神経部分の陽電子頭脳はある程度正確・厳密な判断を行うことが出来る。 ただ、こちらは神姫の内部構造の管理に特化した部分であり、追加機能を実行できる部分ではないため、本コラムではメンタル部分についてのみ記述した。 ○ブラウザを学習できない神姫 では本題に戻ろう。 パソコンと神姫のコンピュータが別物なのは分かった。だが、神姫には武装用のドライバや、追加学習ソフトというものが確かに存在する。その延長上で、ネット閲覧ソフトも神姫に組み込めるのではないか? 答えは『理論上は○』だ。 神姫武装用のドライバや、言語などの学習ソフトは、パソコンソフトのインストールとは本質的に異なる。 実はドライバも学習ソフトも、神姫に『基本的な使い方を教える』だけでしかない。我々が辞書を買ってきたり、取説を読んだりするのと同じだ。 概ねの場合において、ドライバやソフト導入後も神姫にはそれを使いこなすための追加学習が必要になる。 そして、実際に神姫用ブラウジングソフトというものが企画されたことは、ある。 正確に言えば、あった。 先日偶然にもその企画担当者と話をする機会があったのだが、心の中に流れ込んでくる(そう神姫は表現したらしい)htmlの情報は神姫にとって感じの良いモノではなかったらしい。 唯一、バーチャルバトルと同じようにパソコンとバーチャルポッドを経由すれば、ブラウジング時の不快感はなくなったそうだが……。そこまでして、パソコンで直接ブラウジングを回避するメリットはない。 結局そのソフトは、評価試験の段階で開発中止になったそうだ。 恐らくは人間に近い思考に調整された陽電子頭脳が、ブラウザの処理に追いつけなかったのだろうというのが、開発者の見解だった。 そんなわけで、陽電子頭脳を用いた神姫は、自らの好奇心を満足させるため、シリコンコンピュータを用いたパソコンとシリコンコンピュータ用のブラウザでネットを検索するのである。 間違っても『おねだりしやすいから』という理由ではないことだけは付け加えておきたい。 トップ